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一年前の三月十一日

あと、数時間で、あの震災から一年が過ぎようとしています。 人によって受け止め方に違いがあると思いますが、私には

早く感じました。 その一年の間にいろんな人と、この震災の話をする機会がありました。 テレビなどの報道を通して同じ

情報を共有していても、そのとらえ方は随分温度差のあるものです。中京から西に行くとそれがより強く感じられました。

仕事がら、地方に多くの友人がいて合う機会があります、先月末に京都に行った時に、私の隣の席に福島の方が一緒で

した、京都にあるメーカーさんの招待でね全国から十名があつまりました、生涯行くことのないと思っていたお茶屋さんの

一力での事です、席に着いてからのしばらくは隣にいる福島の方との話になりました、他の人達は私同様笑顔で嬉しい気

持ちがいっぱいの様子なのですが、少し違っていました。 全員同じエクステリアの仕事をしている方々ですから、当然仕

事の話が出てきます、福島の様子を尋ねてみると、若い優秀なスタッフが五人会社を辞め、福島を離れ違う仕事をしてい

るそうです、幼いお子さんのいるスタッフだったと言っていました。 いくら故郷が好きでも家族の事を思うとそうすることを選

択したとしても仕方がないのかも知れません。 お客様から庭仕事の依頼があっても、庭の土の移動は禁止されています

罰金は一千万円だとか、運搬しているのがわかれば懲役五年以下だとか、テレビなどでは報道されていないことです。工

事の許可がもらえたしても、屋根の洗浄からはじめないと駄目だそうです。福島で暮らす人達が悪いわけではありません

話を聞いているうちに何とも言えない思いになりました。

宴会がはじまり、しばらくすると笑顔になっていたので少し安心できたのですが、翌日別れてから、福島に戻られてからど

んなふうに仕事をしているのかね今でも気になっています、震災ですから誰が悪いと言う事はないのですが、原発につい

てはいろいろ考えさせられます。 今でも、その時に話をした言葉を思い出します、同じ震災でも宮城・岩手の今の状況が

羨ましいと言っていたことです、今、宮城・岩手は復興の景気で一部バブル状態の様ですが、福島の今にはそれが無いの

です、原発の影響で。

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